体験談(約 26 分で読了)
初桜と共に散る、僕の知らない君【後編】(1/5ページ目)
投稿:2025-06-21 02:38:55
更新:2025-07-02 01:41:04
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これは純愛でもなく、激情でもなく、美談でもなく、盗られた者の独白にすぎない。高校時代、僕には付き合っている女の子がいた。名前は「E子」#ピンク。地味で真面目、いつも静かで、目立つことのない存在だった。誰かと騒いだり、大きな声で笑ったりすることはなく、休み時間は静かな子たちの輪の中で、オタ…
高校の頃から付き合ってた僕とE子。
ついぞ手を出さないまま大学の春を迎えた。
そんなある日。
午後二時過ぎ頃、E子からあるSNSでメッセージが届いた。
「サークルの新歓行ってくるね!」
語尾の「!」が、やけに明るく見えた。
E子は大学の軽音サークルに所属したばかりで、前に「女子しかいないサークルだし、気楽だよ~」って言っていた。
僕はそれを聞いて、なんとなく安心していた。
男がいないなら、余計な不安を感じずに済む。
昼下がりの部屋は静かで、カーテンがふわりと揺れる。
スマホの画面には、さっきのE子のメッセージがまだ開かれたままになっていた。
その文字列を見つめているうちに、なんでもない言葉のはずが、なぜかほんの少しだけ、胸の奥に引っかかる。
僕はスマホを手にしたまま、E子のトーク画面をしばらく眺めていた。
とくに返すこともなかったのに、画面を閉じられなかった。
七時を回ったころ、アプリに通知が届いた。
E子のストーリー(短時間だけ公開される、写真や動画)が更新されたらしい。
なんとなく指を滑らせて開くと、一枚の写真が目に飛び込んできた。
木目調の壁に囲まれた、大衆酒場のような店内。
画面の中央には、E子を含めたサークルの六人が並んで写っていた。
六人はグラスを掲げて、軽く笑いながら乾杯のポーズを決めていた。
E子の表情は明るく、素直に楽しんでいるように見えた。
僕はE子にDMで
「流されて酒飲むなよ~笑」
と送った。
すぐに既読がつき
「気を付ける笑先輩の彼氏さん来ちゃった~」
と返事が来た。
先輩の彼氏、か。
まあ、安心できる男性だろう。
自分にそう言い聞かせかけた、その瞬間だった。
胸の奥で、小さな音を立てて不安が軋んだ。
「来たのは男性一人だけ?」という疑問。
またアプリから通知。
次のストーリーは、短い動画だった。
グラスが三つ、軽くぶつかる音。
E子と、女性の先輩、そしてその先輩の彼氏さんの思しき男性。
だが、再生が終わる直前。
画面の右端にほんの一瞬だけ、その三人とは別の、男性物らしきシャツの袖が映り込んだ。
「おまえ、マジでさ~」
小さな男の声が、ふっと入ってくる。
トーン的には、隣の個室から漏れた声のような距離感。
……けれど、妙にリアルだった。
現実味がありすぎて、胸の奥がざわついた。
震え出した指で
「迎えに行こうか?」
と打ち込んで送った。
既読はつかない。
DMの画面は、時間が止まったように静かだった。
何時間経っただろうか。
僕は無意識のうちに、E子のフォロワー一覧を辿り始めていた。
E子と同じサークルと思しき先輩の公開アカウントをいくつか見つけ、さらにその先のフォロワーをチェックしていく。
すると、共通してフォローされている一人の男のアカウントが目に留まった。
「K男」
アカウントから漂う軽薄な空気は、見ただけで嫌悪感を催した。
プロフィール写真は顔の半分だけを隠し、無造作に咥えたタバコと派手なカスタム車が強調されている。
軽薄で自己顕示欲の塊のようなその雰囲気は、胸の奥に嫌な感情がぐっと込み上げてきた。
自己紹介欄に
「慣れてるからこそ飽きない。毎日が新しい出会いと刺激で溢れてる。」
とだけ書かれていた。
アイコンの周りが虹色に光っている。
ストーリーがアップされている証拠だ。
そのK男のストーリーも公開設定だった。
胸の奥に、じわじわと嫌な予感が広がる。
だけど、なぜだろうか。
指はまるで自分の意思とは別に、震えながらも動き続けていた。
怖いもの見たさというのか、それとも確かめたいという焦りなのか。
胸の締め付けは強くなり、心臓がうるさく鼓動を刻む。
目をそらしたくても、視線は画面から離れられなかった。
K男のアイコンをタップすると、真上からのアングルで撮られた薄暗い動画が流れた。
画面手前には、白っぽいシャツの裾。
男物だとすぐにわかるデザイン。
男は画面奥に向けて足を伸ばしている。
下半身には何も着ていないように見える。
その男性の足の付け根の中心に、茶髪の後頭部が映っていた。
肩から少しだけ垂れるくらいの髪の長さ。
動画の中で、その頭の子は、小さく上下に動かしているように見える。
髪先がゆらゆらと揺れていて、顔は見えない。
輪郭もぼんやりしていて、誰だとは断言できない。
けれど、見覚えのある、明るすぎない茶色の髪が、頭から離れなかった。
ストーリーの編集で、文章やスタンプが画面を部分的に隠している。
画面内にこんな文章が書かれていた。
「俺の指、また一人沼らせたかもです」
「#慣れてない感が逆にエグいw」
「#反応が新鮮すぎて笑」
どれもふざけていて、あまりにも嫌な匂いがした。
動画の背景で流れているBGMは、聞いたことのない洋楽だった。
テンポはゆっくりで、低く湿った声のボーカルが、やけに耳に残る。
その奥に、何か別の、小さな音が混じっていた。
音楽とは違う、もっと生っぽい、濡れた気配。
はっきりとは聞き取れない。
けれど、耳を澄ませば澄ますほど、それは確かにそこにあった。
喉の奥で漏れる呼吸のような、くぐもったリズムのような音。
それが意図的に録られたものなのか、偶然入り込んだのか、判断はつかない。
動画は、十数秒で終わった。
だが終わっても、僕はしばらく画面から目を離せなかった。
気づけばまた開いていた。
指が勝手に動いたのか、それとも……
また同じ動画が始まる。
繰り返される映像の中で、男の膝元に頭を落とすように座っている女の子。
顔は映らず、後頭部だけが映し出されている。
茶色く染まった髪が、ゆっくりと揺れていた。
どこにでもいそうな、そんな髪色と髪型。
だけど、僕の中では違った。
画面を見つめるたびに、ある言葉が不意に頭の奥から浮かび上がってくる。
「大学生になったら、髪染めたいんだ~」
あの時、笑いながら少しだけ照れくさそうに話していた、あの声。
当時の記憶が、なぜか今になって鮮明によみがえってくる。
あの時想像したE子の染めた髪の色。
空き時間の隙間を縫って会った時に見た、あの色。
今、画面に映る後頭部と重なっていく。
胸の奥がじわじわと痛み、目をそらしたくても、動画が頭から離れてくれない。
僕の視線は、暗くなった画面から離れなかった。
他人かもしれない。
よく似た誰かかもしれない。
それでも、気づけば喉の奥が苦くなっていた。
胃の中で何かがざわめいて、せり上がってくる。
息を吸おうとしても、うまく入ってこない。
「……やばい」
その一言だけが、頭の中で繰り返される。
僕は立ち上がり、洗面所に向かってふらつく足を動かした。
トイレの前にしゃがみ込む。
喉の奥を何かが突き上げ、胃が裏返るような感覚が一気に襲ってくる。
酸っぱい何かと一緒に、声にならない嗚咽がこぼれ落ちた。
涙が勝手に流れて、手の震えが止まらない。
電話越しのE子の声と、あの時の髪色と、画面の中の後頭部と……
それらが、頭の中で何度も交互に再生されていた。
何分、トイレにいたのか分からない。
吐き気が引いてもしばらく立ち上がれず、冷たい床に手をついたまま、ただ呼吸を整えることしかできなかった。
ふらふらと部屋に戻り、ベッドの端に腰を下ろす。
心のどこかでは、E子に連絡しようとしていた。
問い詰めるとか、確認するとか、そういう強い気持ちじゃない。
スマホの画面をつけて、DMを開こうとする。
その瞬間だった。
K男のアイコンが、また虹色に光っていた。
さっき見終って色を失ったはずの枠が、再び色を帯びていた。
胸の奥が、また苦しくなる。
さっき吐いたばかりなのに、胃のあたりが再び重くなっていく。
喉がつかえるような感覚。
息が浅くなり、心臓の音が近く感じられた。
それでも、指は止まらなかった。
見るな、やめろ、と頭のどこかで警告が鳴っていた。
けれど、迷いながらも、僕はそのアイコンに触れていた。
最初に見た、茶髪の子のフェラをしているであろう動画は、いつの間にか消されていた。
代わりに、新しいストーリーが画面に表示される。
暗い画面には、文章とスタンプ。
「今日会ったばっかだけど、まあ、いつも通りっちゃ通り。顔じゃない、タイミングとスイッチだけ。それさえ分かれば、大体こうなる。」
「#はい解体完了」
「#誘導ミスらなきゃ9割通る」
「#あとは向こうの本能しだい」
「#ふつうに胸やばかったw」
その文字の奥で、何かが揺れている。
見れない。
いや、違う。
「そう」なんだと認識できない。
頭の奥だけが、「そう」である事を拒絶している。
再確認だ。
自分にそう言い聞かせるように、もう一度再生する。
画面の中で揺れている大きな2つの「それ」を隠すように、画面中央にはアンケート。
「何でも好きにしていいなら何する?w」
「尻見たいw」
「騎乗位」
「対面座位」
「今から行ったらワンある?w」
あまりにも軽薄すぎる文章。
……何も見えない。
いや、ずっと見えてはいた。
最初からそこにあったのに、僕の中で「そう」じゃないと思い込もうとしていただけだった。
画面の奥で、ゆっくりと動いている何かが、徐々に輪郭を持ちはじめる。
薄暗い照明のせいで曖昧だった色が、形が、少しずつ鮮明になっていく。
喉から上は画面の外で見えないが、画面内だけでも十分な既視感が生まれていく。
大きすぎて、少しの動きだけでも誘うように揺れる胸の輪郭。
あの頃、見ないまま感じ取った、あの柔らかさ。
K男が腰を掴む指先がじんわりと沈み込み、その感触から伝わる、彼女の少しだけふくよかなお腹周りの柔らかさ。
「一人暮らしで少し太っちゃってさ」と照れながら言っていた、あの声。
暗い画面よりさらに黒い、足の付け根あたりに生えている、秘部を守る毛。
あの日、彼女の秘部に口を付けた時に触れた、少し硬い縮れた陰毛。
違う。違う、違う。
……違ってくれ。
その陰毛の、そのさらに下に。
摩擦で黒く変色した、慣れている者の、慣れている者としての象徴。
それが、彼女の陰毛のさらに奥、光の届かない部分に届いてしまっているように見える。
ただそこにある「行為」そのものが、ゆっくりと映っている。
現実味がなかった映像に、ひとつ、またひとつと記憶が重なっていく。
心のどこかで、必死にブレーキをかけようとする。
ちょうど再生が終わる。
もう見てはいけない。
理解してはいけない。
知ってはいけない。
けれど、僕は心のどこかで彼女を信じたかった。喉の奥から変な音がする。
……もう指は……止まれない。
再びの暗い画面。
目を凝らして確認する。
小さなホクロが、画面の右上、動画の女の子の首筋の付け根あたりに見えた。
E子が持っていた、あの場所にだけある、それを。
僕だけが知っていたはずだった、それを。
ああ。
胸の奥が、ゆっくりと沈んでいくようだった。
そこにあったものすべてが、今、音もなく崩れていった。
動画の中では、同じ動きが淡々と、何度も繰り返されていた。
暗い画面の奥で、何度も出し入れされる、俺よりもはるかに黒く、太く、長く、先端が膨らんだK男の陰茎。
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4: ハイヅルさん 作者 [通報] [削除]
名無しさん
僕は妻の浮気を目撃して寝取られ願望に取り憑かれました。妻は中学時代に輪姦されて、犯され願望に目覚めてしまったそうです。今は夫婦で寝取らせプレイをしながら迷走中です。やはり妻に対して屈折した感情を持って…
ありがとうございます。
とても個人的な体験を共有していただき、心から感謝します。
奥様への感情や、夫婦という関係の中での葛藤は、きっと多くの方がどこかで共感できる部分だと思います。
私自身も、いくつかの出逢いを経て、この出来事は物語として静かに受け止められるようになっていますが、温かいお言葉が心に沁みました。
本当にありがとうございます。どうかご自身のペースで、無理なくお過ごしください。1
返信
2025-06-25 08:01:04
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3: 名無しさん#ESlWCZM [通報] [コメント禁止] [削除]僕は妻の浮気を目撃して寝取られ願望に取り憑かれました。妻は中学時代に輪姦されて、犯され願望に目覚めてしまったそうです。今は夫婦で寝取らせプレイをしながら迷走中です。やはり妻に対して屈折した感情を持ってます。でも、別れられないんです。この作品を見て胸が締め付けられました。作者様にいい出逢いがある事を切に願っております。失礼します。
1
返信
2025-06-23 23:08:51
-
2: ハイヅルさん 作者 [通報] [削除]
名無しさん
素晴らしかったです。(投稿者さんの心中をお察しすると投稿できませんので、あくまでも作品の1読者としての視点で投稿します)私も現実に巨根の遊び人に恋人を寝取られた事があります。それ以来、このジャンルが性…
読んでいただき、ありがとうございました。
程度の差はあれど、やはり寝取られを経験した方のほうが、このジャンルにハマりやすい傾向はあると思います。
心が壊れた経験が、性的な快楽の回路と奇妙に結びついてしまう。
そんな不自然さの中にこそ、強烈で抜け出せない魅力があるように感じます。とても共感します。
「ヨリを戻したあとで、何度目かの行為で治った」という言葉には、かかった時間の重みと、ある種の愛のかたちを感じました。
相手への快不快、傷つきと癒し。その全てが、より深い体験へと昇華されていくことを、心より願っております。1
返信
2025-06-23 21:09:50
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1: 名無しさん [通報] [コメント禁止] [削除]素晴らしかったです。(投稿者さんの心中をお察しすると投稿できませんので、あくまでも作品の1読者としての視点で投稿します)
私も現実に巨根の遊び人に恋人を寝取られた事があります。
それ以来、このジャンルが性癖となりました。(現実に繰り返したい願望はありません。現実は1度でお腹いっぱいです)
私の場合は、結局ヨリを戻しました。
「結婚してるわけじゃないので、正直そこまで大ごとではない」というのが、当時の私の建前でしたが、抑え込んだダメージは大きかったです。
EDになったのですが、ヨリを戻してから何度目か行為で治りました。
ヨリを戻した後の寝取られ後日談の世界で治す方法もあるわけです、、、。2
返信
2025-06-22 00:51:19
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(2020年05月28日)
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